食後に胸焼けがしたり、ゲップが多く出たり、喉に酸っぱいものや苦いものが上がってくるような感覚がある場合、それは「逆流性食道炎」かもしれません。この病気は胃酸が食道に逆流することで起こり、不快な症状を引き起こします。
今回は逆流性食道炎になりやすい方の特徴や治療法、また症状が似た病気などについて、分かりやすく解説します。最近、胸焼けなどの症状が気になる方は、ぜひ参考にしてください。
胸焼けや胸の痛みを引き起こす逆流性食道炎とは
逆流性食道炎は、胃の内容物や胃酸が食道に逆流し、食道の粘膜に炎症を引き起こす病気です。通常、胃酸が逆流することはあっても短時間で収まり、健康な状態では問題になりません。しかし、逆流が長時間続くと、酸に弱い食道の粘膜がダメージを受け、炎症や潰瘍を引き起こすことがあります。
胃液は非常に強い酸性(pH1~1.5)で、粘膜を刺激しますが、食道には酸から守る粘液が少ないため、胃酸の影響を受けやすいのです。この結果、粘膜がただれる、潰瘍ができるなどの症状が生じます。食道への負担が続くと、症状が悪化し、さらなる治療が必要になる場合があります。
逆流性食道炎の原因
逆流性食道炎の原因としては、胃酸分泌の過剰や胃酸が食道内に長時間留まること、胃酸の逆流を防ぐ機能の障害、食道粘膜の過敏性が関与しています。
胃酸分泌の過剰
ピロリ菌に感染している場合、胃酸の分泌が抑えられることがあります。しかし、除菌治療によってピロリ菌がいなくなると、胃酸の分泌が正常に戻る過程で増加することがあり、それが原因で逆流性食道炎を引き起こす場合があります。また、高脂肪食を摂取すると、胃酸の分泌が増えるため、注意しましょう。
胃酸が食道内に長時間留まる
食道の蠕動運動が低下することが影響しており、加齢や膠原病、アカラシアといった疾患などが原因です。また、唾液の分泌量が低下は、食道内の胃酸が中和されにくくなるため注意しましょう。唾液分泌の低下は、加齢や膠原病などが関係しています。
胃酸の逆流を防ぐ機能が障害される
食道と胃のつなぎ目には「下部食道括約筋」という筋肉があります。この筋肉は通常、食物が通過するとき以外は胃の入り口をしっかりと締め、胃の内容物が食道に逆流するのを防いでいますが、この筋肉が緩むと逆流が起こりやすくなります。
下部食道括約筋が緩む原因として、加齢による筋力の低下や、胃内圧の上昇(食べ過ぎや早食い)、腹圧の上昇(肥満や衣服の締め付け)などです。また、高脂肪食も筋肉の働きに影響を与え、逆流を招く要因となります。また、食道裂孔ヘルニアも要因の一つです。
胃の運動機能が低下することも影響し、加齢や胃の蠕動運動の低下、胃の内容物が排出されるのが遅れることが原因となることがあります。一部の薬剤、例えば狭心症治療薬や高血圧治療薬(亜硝酸薬、カルシウム拮抗薬など)も逆流を引き起こす可能性があります。
食道粘膜の過敏性
食道粘膜が過敏になると、通常の刺激でも症状が引き起こされやすくなります。ストレスなどがその原因として挙げられます。
逆流性食道炎になりやすい人の特徴
高齢者 ➝下部食道括約筋の低下、唾液の分泌減少、背中が丸くなる
食生活が乱れている ➝暴飲暴食、早食い、炭酸飲料、高脂肪食を多く摂る
生活習慣が不規則 ➝不眠、ストレス、便秘
持病のある方 ➝喘息・血圧・心臓など病気の薬の影響
嗜好品を多く摂る方 ➝アルコール、たばこ、コーヒー、緑茶
お腹を圧迫する方 ➝肥満、食べて過ぐ横になる、服やコルセットで締め付ける、妊婦
長時間前かがみの姿勢を取る方 ➝畑仕事をする、背中が曲がっている
逆流性食道炎になりやすい生活習慣
生活の中で、逆流性食道炎になりやすい行動を紹介します。
食べ過ぎや早食い
胃に大量の食べ物が入ると、胃が下方向に引き伸ばされるような形になります。この影響で、胃と食道の間にある下部食道括約筋が緩みやすくなり、胃酸や食べ物が食道へ逆流する可能性が高まります。
また、早食いは、よく噛まずに飲み込むことで食べ物と空気を一緒に飲み込む要因です。胃に空気がたまりやすくなり、ゲップが出る際に胃酸が逆流することがあります。
高脂肪食
脂肪分の多い食事を摂ると、消化の過程で「コレシストキニン」というホルモンが分泌されます。このホルモンは、胃酸を増やし、下部食道括約筋を緩める働きがあるため、胃酸が逆流しやすくなります。脂肪は他の栄養素に比べて消化に時間がかかるため、負担が大きく、結果として逆流性食道炎を引き起こしやすい環境を作ります。
嗜好品
アルコールやたばこは下部食道括約筋を緩めてしまいます。また、カフェインを含むコーヒーや緑茶は、胃酸の分泌を活発にするため注意しましょう。
便秘
便秘が続くと腹部の圧力が高まり、胃が腸から圧迫されることで食道への胃酸の逆流が起こりやすくなります。特に、慢性的な便秘でお腹が張った状態が続くと、若年層でも逆流性食道炎を発症しやすくなることが知られています。
お腹の圧迫
前かがみの姿勢や腹部を締め付ける服装、腹部に圧力がかかる仕事なども、胃酸が逆流しやすくなる原因です。お腹が圧迫されることで胃が押され、逆流を引き起こしやすい環境を作ってしまいます。
ストレス
ストレスが過剰になると、自律神経のバランスが乱れ、それにより胃酸の分泌が過剰になったり、胃の粘膜を保護する粘液の分泌が減少したりします。このような変化は、胃の防御機能を弱め、トラブルを引き起こしやすくします。
逆流性食道炎の症状は日常生活にも影響がある
逆流性食道炎は、胃酸が食道に逆流することで引き起こされます。
胸焼け
呑酸(どんさん)
げっぷ
胸の痛み
むかつき感
慢性的な咳
胸焼けが代表的な症状ですが、それ以外にも、胃酸が喉や口まで逆流して苦味を感じる呑酸(どんさん)や、胸の痛み、むかつき感、慢性的な咳など、さまざまな症状として現れることがあります。症状は個人差があり、一度に複数現れる場合もあれば、毎回同じ症状が出るわけではありません。
食道が過敏になっている場合には、胃酸が逆流していなくても胸焼けを感じることがあるため、注意が必要です。この病気自体は命に関わるものではありませんが、日本人の15〜20%が罹患しているとされ、増加傾向にあります。症状によって食事を楽しめなくなったり、夜間の睡眠が妨げられるなど、日常生活の質(QOL)が大きく低下する場合があります。
放置すると不快な症状が続き、生活に支障をきたす可能性があるため、早めに対策しましょう。適切な治療や対処法を取り入れることで、より快適な日常生活を送ることが可能です。
逆流性食道炎の治療法
逆流性食道炎の治療は、再発しやすい病気であるため、薬物療法に加えて生活習慣の改善が重要です。重度の症状や薬物療法・生活習慣の改善で十分な効果が得られない場合には、手術を検討することもあります。
胃酸の分泌を抑える薬を中心に、食道粘膜保護のための薬、胃酸を中和する薬などを使用します。
胃酸分泌を抑える薬
H2ブロッカー(ヒスタミンH2受容体拮抗薬)
胃酸を分泌する細胞にあるヒスタミンH2受容体に作用し、胃酸分泌の信号を遮断することで胃酸の分泌を抑制します。
PPI(プロトンポンプ阻害薬)
胃酸を出す仕組みであるプロトンポンプに直接働きかけ、その機能を抑えることで胃酸分泌を効果的に抑えます。
P-CAB(カリウムイオン競合型アシッドブロッカー)
PPIと同じくプロトンポンプを抑制しますが、酸性環境に左右されず安定して作用します。
制酸薬/粘膜保護薬
胃酸を中和し、胃酸による食道や胃の粘膜への刺激を軽減します。
消化管運動機能改善薬
ガスモチンやナウゼリンといった薬があり、胃や腸の運動を改善する働きを持ち、消化機能を助けます。胃の蠕動運動を促進することで、食べ物が胃に滞留する時間を短くし、胃液や食物が食道に逆流しにくくなる効果があります。
維持療法
治療によって自覚症状が消え、食道粘膜の炎症が完全に改善した場合、治療は一旦終了します。しかし、逆流性食道炎は再発しやすいため、症状が再び現れる方が多くいます。その場合、胃酸分泌抑制薬を用いた維持療法を行い、再発を予防します。
逆流性食道炎の予防方法
逆流性食道炎の予防と症状緩和には、生活習慣の見直しが重要です。特に、食生活や体への負担を減らす工夫が効果的です。
食生活の見直し
脂肪分やタンパク質の摂り過ぎを避け、消化に優しい食事を心がけることが大切です。唐辛子などの香辛料、酸味の強い食品、甘いもの、消化に時間がかかる食品など、胃酸の分泌を増やしたり症状を悪化させる食べ物は控えてください。
食事の量は腹八分目を意識し、ゆっくり噛んで食べる習慣が大切です。また、夕食は寝る3〜4時間前までに済ませることで、胃酸の逆流を防ぐ効果が期待できます。食後すぐに横になることは避けましょう。
執行品を摂りすぎない
タバコは逆流性食道炎を悪化させるため禁煙が推奨されます。アルコールも胃酸の分泌を促進し、下部食道括約筋を緩めて逆流を引き起こすため、できるだけ控えましょう。カフェインも胃酸分泌を活発にするため、コーヒーや緑茶の摂取を減らすことが望ましいです。
姿勢を意識する
猫背や前かがみの姿勢は、お腹を圧迫して胃酸の逆流を引き起こしやすくなるため、日常的に背筋を伸ばすよう心がけましょう。
就寝時には、上半身を少し高くして寝ることが逆流性食道炎の予防につながります。たとえば、背中にタオルを積み重ねるなどして、上半身に15度程度の傾斜をつけて寝ると、胃酸の逆流を防ぐ効果が期待できます。
お腹の圧迫を避ける
ベルトや服装でお腹をきつく締め付けない、重いものを無理して持たないなど、腹圧を上げる行動を避けることが重要です。
運動をする
肥満は腹圧を上げる原因となるため、ウォーキングなど軽い運動を習慣化して体重を管理しましょう。
ストレスをためない
自律神経を整えるためには、自分に合った生活リズムをつくり、それを日常生活にルーチン化することが重要です。生活リズムは人それぞれ異なりますが、自分のペースに合わせた規則正しい食事、適度な運動、十分な睡眠を心がけることで、ストレスの軽減につながります。自律神経が整えば、胃の働きだけでなく体全体の調子が良くなります。
ストレスの原因となる状況や物事(ストレッサー)から適切に距離を取り、日常生活の中に非日常を取り入れるなど、自分なりのストレス解消法を見つけることも効果的です。自分に合った方法で、楽しくリフレッシュできる時間を持つようにしましょう。
逆流性食道炎の症状だと思ったら違う病気が見つかった例
食道アカラシア
逆流性食道炎は「胸のやける感じ」「食べ物がつまる感じ」など症状から疑うことができます。しかし逆流性食道炎を疑わせる症状でありながら、全く別の病気が隠れていることがあるので注意する必要があります。
「胸のやける感じ」「食べ物がつまる感じ」があり相談こられた30代の男性の方です。症状から逆流性食道炎を疑い薬を処方しましたが全く改善しません。薬の用量を増やしても全く良くなりません。原因を特定するために胃カメラをすることになりました。内視鏡で確認すると食道に大きな問題はなさそうです。ポリープや腫瘍もありません。逆流性食道炎による食道のキズも全くありません。
一点気になったのは食道下部のわずかな食道粘膜の混濁です。ドックや健診で施行する胃カメラ検査であれば、病変として指摘しない程度の軽微な粘膜変化です。わずかな粘膜変化ではありましたが「食道アカラシア」を疑い大学病院と連携、さらに精密検査を行いました。
その後の精密検査で「食道アカラシア」がつまり感の原因であることが特定、治療につながりました。
逆流性食道炎と思われる症状の中に、食道アカラシアや好酸球性食道炎などその他の病気が隠れていることがあります。
逆流性食道炎と似た症状を引き起こす病気
慢性胃炎
胃・胃・十二指腸潰瘍
機能性ディスペプシア
食道裂孔ヘルニア
食道カンジタ症
好酸球性食道炎
狭心症
食道がん
逆流性食道炎と似た症状を起こす病気を紹介します。
慢性胃炎
慢性胃炎は、胃の粘膜にある胃酸を分泌する腺細胞が萎縮し、その修復が進まない状態が続く病気です。長期間にわたり、萎縮が進行し胃酸の分泌が減少することで起こります。この病気とヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)の感染には強い関連があることがわかってきています。
種類は、出血やびらんを伴うタイプ、びらんのないタイプ、そして特殊型胃炎の3つです。ただし、一般的に「慢性胃炎」という場合は、びらんのない胃炎を指し、ピロリ菌感染が主な原因とされています。一方、特殊型胃炎は非常にまれなケースです。
慢性胃炎に特有の症状はなく、胃潰瘍や胃がんと同様の症状が見られることがあります。空腹時や夜間の胸焼け、食後のむかつきや胃もたれなどです。ただし、胃の萎縮の程度と症状の重さが必ずしも一致するわけではありません。
胃・十二指腸潰瘍
胃潰瘍や十二指腸潰瘍は、胃酸が過剰に分泌されることで、胃や十二指腸の粘膜が傷つき、潰瘍ができる病気です。胃は通常、消化のために胃酸を分泌しつつ、粘膜を保護する粘液を出して自らを守っています。しかし、このバランスが崩れると、粘膜が溶け潰瘍が発生します。
代表的な症状は腹痛で、胃潰瘍では特に食後にみぞおち周辺で痛みを感じることがほとんどです。一方、十二指腸潰瘍では空腹時に痛みが現れ、食べると痛みが和らぐという特徴があります。
十二指腸は背中に近い位置にあるため、背中の痛みを訴える場合もあり、胸やけ、吐き気、すっぱいゲップなどの症状もよく見られます。症状を放置すると、吐血や黒い便(下血)といった重篤な状態に至ることがあるため、注意しましょう。
機能性ディスペプシア
機能性ディスペプシアは、胃の痛みや胃もたれといった不快な症状があるにもかかわらず、内視鏡検査などで異常が見つからない病気です。胃炎や逆流性食道炎のような明らかな病変がなくても症状が続く場合に、この病名が使われます。
この病気では、胃の粘膜に炎症があっても、それが症状と直接結びついていないことが多く、また炎症がない場合でも症状が現れることが特徴です。そのため、症状を説明できる明確な異常が確認できない場合、「機能性ディスペプシア」と診断されます。
食後の胃もたれや、少量の食事でもお腹がいっぱいになったように感じることが主な症状です。また、みぞおちの痛み、胸やけ、吐き気、げっぷなど、症状は多岐にわたります。
食道裂孔ヘルニア
食道裂孔ヘルニアは、胸とお腹を隔ている横隔膜の隙間「食道裂孔」を通じて、胃が胸側に飛び出してしまった状態です。このヘルニアが発生すると、胃酸が食道に逆流しやすくなり、それが原因で食道炎を引き起こします。その結果、「胃食道逆流症」や「逆流性食道炎」といった病気が発症し、関連する症状が現れることがあります。
胸やけや呑酸(酸っぱいものや苦いものが喉まで上がる感覚)が最も多い症状です。また、頻繁なゲップ、飲み込みづらさ、胸の痛みなどの不快な症状が現れることもあります。
食道カンジタ症
食道カンジダ症は、正式名称を「カンジダ性食道炎」といい、カンジダ菌が食道で増殖し、炎症を引き起こす病気です。カンジダ菌は健康な人の体にも存在する常在菌ですが、通常は他の菌とのバランスで増殖が抑えられています。このバランスが免疫力の低下や抗生物質の長期使用によって崩れると、カンジダ菌が増殖しやすくなり、炎症が発生します。
この病気になると、飲食時に痛みを感じたり、胸や背中に焼けるような感覚を覚えることがあります。また、胸のあたりに何か詰まったような違和感、吐き気、嘔吐、食欲不振、さらには体重減少といったものも食道カンジダ症の症状です。
好酸球性食道炎
アレルギー反応に関与する白血球の一種である「好酸球」が食道に集まり、慢性的な炎症を引き起こす病気です。この炎症によって、食道の動きが悪くなり、食べ物が通りにくい、胸やけがする、胸の痛みを感じるなどの症状が現れます。さらに、病気が進行すると食道が狭くなり、食べ物が詰まるといった重い症状を引き起こすこともあります。
好酸球性食道炎は、日本でまれな病気と考えられていました。最近では人間ドックや胃カメラの検査中に診断されるケースが増えています。好酸球が食道だけに集まる場合は「好酸球性食道炎」、胃や腸にも炎症が広がっている場合は「好酸球性胃腸炎」と呼ばれます。
発症の原因は、まだ完全にはわかっていません。喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎などのアレルギー疾患を持つ人に多く見られることが特徴です。また、30〜50歳代の男性に発症しやすい傾向があることもわかっています。
狭心症
狭心症は、心臓に血液を供給する冠動脈が狭くなることで、心臓の筋肉(心筋)に十分な血液が届かなくなり、心筋が弱った状態です。これに対し、冠動脈が血栓で完全に詰まり、血流が途絶えて心筋が壊死してしまう状態が「心筋梗塞」になります。
狭心症の代表的な症状は、胸が締めつけられるような痛みや圧迫感です。この痛みは数分から10分程度続き、運動や興奮など心臓に負担がかかったときに起こりやすく、休むと回復するのが特徴です。また、胸の痛みに加えて、のどや奥歯、腕、背中、みぞおちなどが痛む「放散痛」という症状が現れることもあります。これにより、肩こりや胸焼けといった症状と勘違いする場合もあります。
さらに、軽い運動や安静時にも痛みが起こるようになったり、痛みの持続時間が長くなったりする場合は「不安定狭心症」のかもしれません。このタイプの狭心症は心筋梗塞に進行するリスクが高いため、特に注意が必要です。
食道がん
食道がんは、食道の内側を覆う粘膜から発生するがんです。食道の中央部分にできることが多く、複数箇所に同時に発生する場合もあります。
初期段階では症状がほとんどないため、気づかれにくいことが特徴です。しかし、がんが進行すると、飲み込む際に胸に違和感を覚える、飲食物がつかえる感覚、体重減少、胸や背中の痛み、咳や声がかすれるといった症状が現れることがあります。
進行がんでは、がんが食道の壁を越えて周囲の臓器や血管に広がることがあります。例えば、肺や気管支、大動脈などに影響を与え、痛みや咳、さらには声のかすれが生じることがあります。これらの症状は食道以外の病気とも重なるため、食道がんを見逃さないよう注意が必要です。
胸焼けの症状がある場合は胃内視鏡検査を受けよう
胸焼けや胸の痛みは、逆流性食道炎の症状かもしれません。症状が続く場合や強くなる場合は、早めに医療機関を受診し、適切な検査と治療を受けましょう。
内視鏡検査は、胸焼けの原因を詳しく調べられる方法です。たとえば、本当に胃酸が食道に逆流しているのか、どの程度の重さなのかを確認できます。
また、逆流性食道炎と似た症状を起こす病気として、狭心症や食道がんなどがあります。これらの病気が隠れていないかを確実に見極めるためには、内視鏡検査が欠かせません。
内視鏡検査では食道だけでなく、胃や十二指腸まで一緒に観察できるため、これらの部分に病気がないかもチェックできます。胸焼けが続く場合は、逆流性食道炎の診断だけではなく、食道がんや他の疾患の可能性を除外するためにも、内視鏡検査がおすすめです。
参考元