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白い便・黒い便・赤い便について徹底解説!

便の色で驚いたことはありませんか?この記事では特に質問されることが多い黒い便(黒色便・タール便)、白い便、赤い便(血便)の3種類の便について解説いたます。




白い便について

白い便が出る場合、体内で何か異常が起きている可能性があります。通常、便の色は茶色から黄褐色ですが、白っぽい色になるのは、消化や胆汁の異常が関与していることが多いです。以下では、白い便の主な原因や関連する症状について詳しく解説します。


白い便の主な原因

胆汁の不足

便の色は胆汁に含まれるビリルビンによるものです。胆汁が何らかの理由で腸に届かない場合、便が白っぽくなります。胆汁が不足する主な原因は胆管の閉塞です。胆石や腫瘍が胆管を塞ぐと、胆汁が腸に届かなくなります。


胆道炎

胆道に炎症が生じ、胆汁の流れが阻害されることがあります。


先天性胆道閉鎖症

特に乳児に見られる疾患で、胆管が発育不全になる状態です。


消化不良

脂肪分の多い食事を摂取した際、膵臓や肝臓の消化酵素が不足すると白っぽい便が出ることがあります。これは、脂肪が適切に消化されていないためです。


関連する症状

白い便が出るときには、以下のような症状を伴うことが多いです。


黄疸

肌や目が黄色くなる。


腹痛

胆管や膵臓の問題により痛みを感じることがあります。


発熱

感染症や炎症が原因の場合に見られます。


受診が必要な場合

白い便が何度も続いたり、他の症状(例: 黄疸、強い腹痛、発熱)を伴う場合は早急に医師の診察を受けてください。特に肝臓や膵臓に問題がある可能性があります。


白い便についてまとめ

白い便は体の異常を示すサインである可能性があります。原因が多岐にわたるため、継続的な症状が見られる場合は医療機関での診察を推奨します。自己判断で放置せず、早めの対応が重要です。




黒い便について


黒い便(タール便)は、体の健康状態を示す重要なサインの一つです。この現象は特定の食べ物や薬の影響で発生する場合もありますが、重大な疾患が隠れている可能性もあります。以下では、黒い便の主な原因、関連症状、そして対処法について解説します。


黒い便の原因

消化管からの出血

黒い便の最も典型的な原因は、胃や十二指腸など上部消化管からの出血です。消化管内で血液が酸化すると黒色に変化します。


考えられる疾患


胃潰瘍・十二指腸潰瘍

ピロリ菌感染や薬剤(NSAIDs)使用が主な原因です。


胃がん・食道がん

消化器がんに伴う出血が原因の場合があります。


食道静脈瘤破裂

肝硬変による門脈圧亢進症で発生します。


食事や薬の影響

イカスミ、黒い食品(鉄分の多い食品など)の摂取。

鉄剤や活性炭、ビスマス製剤を服用した場合も便が黒くなることがあります。


関連する症状

黒い便とともに以下の症状がある場合は注意が必要です。


貧血

慢性的な出血で顔色が悪くなる。


腹痛

消化器疾患による痛み。


吐血

特に食道静脈瘤や潰瘍で見られることがあります。


対処法


黒い便が一度出ただけなら様子を見ることも可能ですが、頻繁に続く場合や、他の症状(吐血、貧血、急激な体重減少)がある場合は早急に医療機関を受診してください。内視鏡検査が必要になることが多いです。


黒い便についてまとめ

黒い便は単なる食事の影響から重大な疾患まで幅広い原因が考えられます。早期発見が重要な場合もあるため、違和感を覚えたらすぐに医師に相談しましょう。




赤い便(血便・下血)について

血便や下血は、消化器系の異常を示す可能性がある重要な症状です。以下では、それぞれの違いや原因、そして適切な対処法について解説します。


血便と下血の違い

血便

肛門に近い大腸や直腸からの出血が原因で、赤い血液が便に混じります。鮮血が見られるのが特徴です。


下血

胃や十二指腸などの上部消化管からの出血によるもので、黒っぽいタール状の便が出ます。これを「タール便」とも呼びます。


血便・下血の原因

主な原因は以下の通りです。


痔疾患

血便の最も一般的な原因。痛みやかゆみを伴うことが多い。


消化器疾患

潰瘍性大腸炎やクローン病など、大腸の炎症性疾患。


がん

大腸がんや胃がんが隠れている場合もあります。


消化管潰瘍

ピロリ菌や薬剤性の潰瘍が下血の原因となります。


対処法

軽度の血便

痔が疑われる場合は軟膏や座浴で症状を緩和できます。


症状が続く場合

血液検査や内視鏡検査を受けて、原因を特定してください。


緊急の場合

吐血や貧血、激しい腹痛を伴う場合は早急に医療機関へ。



中島医師からメッセージ

胃が痛くて来院された患者さんに、私は必ず便の色を聞くようにしています。患者さんは「胃が痛くて病院に来たのに、どうして便の色を聞かれるのだろう???」と思ったのか、ぽかんとした顔をされることもあります。しかし便の色というのはとても重要なんです。


もし胃が痛いだけでなく便の色が黒かったら、胃からの出血を強く疑います。真っ赤な血は胃酸に触れると酸化して黒くなるのです。急いで胃カメラをしてどこから出血しているか突き止めて、治療をする必要があります。便が黒い時は急を要するときです。お腹が痛くて来院された患者さんにも、私は必ず便の色を聞くようにしています。「便の色が白い時がありました」便の色が白と聞くと我々医師は肝臓・胆嚢・膵臓などの病気を疑います。すぐに血液検査や腹部超音波検査で原因を調べます。消化器専門医として危惧するのは、便に赤い血が付いたときに「お尻からの出血だろう」と放置している方が多いことです。便に赤い血が付くときにお尻(痔)からの出血なのか大腸からの出血かは見た目では判断できません。40歳以上の癌年齢に入っている方は大腸内視鏡でどこからの出血であるかを確認しましょう。日常生活の中で、便の色が普段と違うことに気づいたら、それは体からの重要なサインです。これらの色の便が見られたときは、痛みや倦怠感といった自覚症状がなくても、できるだけ早く消化器科や胃腸科の先生に相談してください。


受診の際には、便の状態を記録しておくと診察がスムーズです。特にスマホで便の写真を撮っておくと、医師に具体的な状態を伝えやすくなります。写真で見る情報は、口での説明以上に役立ちます。写真を見せることに気をくれするかもしれませんが、ご安心ください。我々医師は喜んで便の写真確認させていただきます。なぜなら、写真を確認することで、より多くの情報を得ることができ正確な診断につながるからです。繰り返します便の色に異変を感じたら、「そのうち治るだろう」と我慢せず、すぐに行動してください。即受診が、健康を守る第一歩です。痛みなど症状がなくても体からのサインを見逃さないようにしましょう。



まとめ

血便や下血は放置すると重大な病気に進展する可能性があります。原因を特定し、適切な治療を受けることが重要です。

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