新型コロナウイルス感染症(COVID-19) の危険因子|年齢、基礎疾患、性別|中島クリニック
- heiwamed0002team
- 2021年6月10日
- 読了時間: 4分
更新日:3月24日

中国武漢で報告された新型コロナウイルス感染症は東南アジアに年年明けから広がっていましたが、ヨーロッパにも広がってしまっています。
(2020年3月13日に公開した記事に2020年12月12日追記しました)
世界保健機関WHOのテドロス事務局長は3月11日、新型コロナウイルス感染拡大について「パンデミックと呼べる状態」とアナウンスするに至っています。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は非常に感染力がつよく、予防接種や確立した治療法がない現在、日々の生活スタイルの見直し(手洗いの励行、閉鎖空間を極力さける)が重要な状況です。\
とは言え、生活のために全く家からでないわけにもいかないわけです。買い物や仕事((可能な範囲でテレワーク化しながら)仕事はを続けていく必要があります。
新型コロナウイルスを怖がるわけでなく、危険因子(年齢、基礎疾患)を知りリスクファクターに準じた行動制限が現実的です。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19) の危険因子を推定できる論文が中国から報告されています。
目次
武漢での1万例以上の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の報告
The epidemiological characteristics of an outbreak of 2019 novel coronavirus diseases (COVID-19) in China Novel Coronavirus Pneumonia Emergency Response Epidemiology Team. Zhonghua Liu Xing Bing Xue Za Zhi. 2020 Feb 17;41(2):145-151. doi: 10.3760/cma.j.issn.0254-6450.2020.02.003. Chinese. 論文が以下のサイトにアップされています。 http://rs.yiigle.com/yufabiao/1181998.htm 中国語ですが漢字の雰囲気から内容は推察できます。 英語版がないかと探したところCDCにありました。 リンク先から英語版を読むことができます。 英語版 http://weekly.chinacdc.cn/en/article/id/e53946e2-c6c4-41e9-9a9b-fea8db1a8f51
危険因子:年齢
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50才以下の死亡率が1.0%未満と低いのに対して50代で1%台となり60才以上から急激に上昇します。 年齢がリスクファクターであるのは新型コロナウイルス感染症(COVID-19) に限ったことではなくインフルエンザでも同じですが、60代以上はリスクファクターが高まると認識してよいでしょう。 (Citation: The epidemiological characteristics of an outbreak of 2019 novel coronavirus diseases (COVID-19) in China.Novel Coronavirus Pneumonia Emergency Response Epidemiology Team.2020 Feb 17;41(2):145-151.)
危険因子:基礎疾患(持病)
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糖尿病、呼吸器疾患の基礎疾患があると感染症のリスクが高くなるのはインフルエンザ等他の疾患と同じですが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19) に特徴てきなのは高血圧での死亡率が6.0%と高いことです。
危険因子:性別
男性が女性に比べて倍近い死亡率でありデータをみる限り男性であることがリスクファクターのようです。 しかし、単純に男性がリスクファクターと解釈してよいとも言い切れません。中国の男性喫煙率が極めて高く、女性の喫煙率が極めて低い特徴があります。 男性の喫煙率が50%を超える52.9%、女性の喫煙率は限りなくゼロに近く2.4%ともいわれています。新型コロナウイルス感染症のリスクファクターが「喫煙」ということも分かってきています。
まとめ
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のリスクファクターは年齢、基礎疾患(持病)で大きくことなることが中国からの報告で分かってきました。
リスクファクター
・年齢(60才以上) ・高血圧 ・糖尿病 ・冠動脈疾患・慢性呼吸器疾患 ・がん 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は非常に感染力がつよく、予防接種や確立した治療法がない現在、リスクファクターを考慮して(高い人はより厳重な留意)して日々の生活スタイルの見直し(手洗いの励行、閉鎖空間を極力さける)が大切です。 追記)日々の生活スタイルの見直しが大切であることは現在もかわりませんが、治療法、予防接種において医学は大きく進歩しています。 重症患者にステロイド投与することで死亡率が下がることが複数の臨床試験で明らかになっています。抗ウイルス薬の有効性評価、トシリズマブ(IL-6阻害薬)の有効性評価もおこなわれています。新型コロナウイルスワクチンが開発されイギリスで2020年12月8日からワクチン接種が開始しています。アメリカのファイザー社とドイツのビオンテック社が開発したワクチンです。ワクチンの予防効果に期待がたかまります。