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下剤ソムリエ企画 第3弾『ラグノスNF経口ゼリー』浸透圧性下剤

  • heiwamed0002team
  • 2023年2月18日
  • 読了時間: 4分

更新日:3月21日

下剤ソムリエ企画 第3弾

今回は2018年9月に慢性便秘症の適応が追加され、便秘薬として使えるようになった『ラグノスNF経口ゼリー』です。

高アンモニア血症の薬としては古くから使われている薬ですが、成人の便秘薬としては新しく処方できるようになった薬です。

下剤ソムリエ第1弾、第2第は



大腸下剤の種類

大腸の下剤には多くの種類があります。 代表的な薬剤としては ・大腸刺激性下剤

・浸透圧性下剤

・上皮機能変容薬 があります。便秘は患者さんの病態を診ながら合う薬を選択していきます。

大腸刺激性下剤にはプルゼニド、ヨーデルS、アローゼン、ラキソベロンがあります。 文字通り、大腸粘膜を刺激することで便意を促す薬です。内服してから5-6時間ほどしてから効果がでてきます。 朝の便を期待して、前日夜、眠前に服用します。 このタイプの下剤の課題は、長期服用していると体がなれてきて、だんだんと効果がうすれてくることです。

浸透圧性下剤には酸化マグネシウムや、今回ティスティングしたラグノスNF経口ゼリーがあります。 浸透圧性下剤は、腸で吸収されにくいため、服用した薬がそのまま腸に移行して腸内の浸透圧をあげます。 腸内の浸透圧を上げることで水分を吸引して、便を軟らかくして排便を促します。 便秘が強い方には大腸刺激性下剤に比べて効果がマイルドに感じることがありますが、浸透圧性下剤は習慣性がなく長期間服用することができるのが特徴です。

上皮機能変容薬にはアミティーザ、リンゼス、グーフィスがあります。 小腸上皮のClC-2クロライドチャネルを活性化して小腸での水分分泌をうながし便通をよくしたり、回腸末端部の胆汁酸トランスポーター(IBAT)を阻害して大腸内の水分分泌と運動促進して便通をよくしたりと、古くからある大腸刺激性下剤や浸透圧性下剤と下剤としての作用点が全くことなるのが特徴です。


ラグノスNF経口ゼリーの特徴

ラグノスNF経口ゼリーの成分は結晶ラクツロースです。 ラクツロースは体が吸収できない糖分です。 ラクツロースは甘い糖分なのですが、吸収しません。

みなさんが普段甘いお菓子を食べたときに入っている、糖分は「ショ糖」です。 ショ糖はブドウ糖と果糖からなり、分解されて体に吸収します。

一方、ラグノスの成分ラクツロースは、ガラクトースとフラクトースからなる人工糖分で体には吸収されません。 吸収できないため、腸内にそのまま移行して腸内の浸透圧を高めます。浸透圧で水分を腸内に引き込み、便秘を改善します。

古くからあるラグノス分包(成分ラクツロース)やモニラック(成分ラクツロース)は、高アンモニア血症、産婦人科術後の排ガス・排便の促進に使われていました。 便秘の適応がないため保険診療で、便秘にこれらの薬を処方することができませんでした。

ラグノスNF経口ゼリーは2018年に既存のラクツロース製剤の効能に慢性便秘症の適応追加されました。 便秘薬としては、産婦人科術後便秘にしか使えなかったモニラック製剤が、成人の便秘に処方できるようになりました。



下剤ソムリエ『ラグノスNF経口ゼリー』をテイスティング

『ラグノスNF経口ゼリー』内容はその名の通り「ゼリー」そして味はずばり、おいしい!

薬をおいしいと言うのもおかしい話ではありますが、ラグノスの成分であるラクツロースはガラクトースとフラクトースからなる人工糖分です。 薬というよりは成分そのものが人工糖分なので、甘くて美味しいのです。

さらに細かいレポートをすると、古くからあるモニラックやラグノス分包、そしてラグノスNF経口ゼリー(今回話題にしている下剤)ともにラクツロースですが微妙な違いがあります。 古くからあるラグノス分包とモニラックの成分はラクツロースです、ラグノスNF経口ゼリー(今回話題にしている下剤)は結晶ラクツロースです。 ラクツロースを結晶化することで、ガラクトースと乳糖の含有量がへり甘みをおさえています。

モニラックやラグノス分包が強い甘みを感じるのに対して、ラグノスNF経口ゼリーは甘過ぎない適度な甘みに仕上がっています。

便秘薬は頓服として服用、便秘がつよい方は毎日のむ薬です。その薬が飲みやすい味であるのはありがたいことです。

ラグノスNF経口ゼリー、良薬は口に甘しです。



まとめ

ラグノスNF経口ゼリー、成人の慢性便秘症の適応が通りました。 浸透圧性下剤であるラグノスは習慣性がなく長期間服用することができるのが特徴です。

味はほのかな甘みがあり良好です。

※便秘薬は、大腸刺激性下剤、浸透圧性下剤、上皮機能変容薬など非常に多くの種類があります。かかりつけの先生に相談して病状にあった治療法を判断してもらってください。

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