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大腸憩室炎に抗菌薬を「投与しない」という選択枝はあるのか

  • heiwamed0002team
  • 2022年4月20日
  • 読了時間: 2分

更新日:3月20日



大腸にポケット状に飛び出る憩室。


このポケット状にへっこんだところに細菌が付いて炎症を起こすのが大腸憩室炎です。


バイ菌が原因ですので、抗菌薬で治療するのが一般的です。



憩室炎は繰り返す

憩室炎は抗生物質で治っても、たびたび繰り返すため、そのたびに抗生物質を投与することとなります。


一度憩室炎を起こした人の2割から4割がまた起こすともいわれています。


たびたび抗生物質を使っていると耐性菌が出現する懸念もあります。だからと言って、原因が細菌なので抗生物質を投与せざるをえないのがジレンマではあります。



憩室炎に抗菌薬を投与しないとのきの予後

憩室炎を抗菌薬「投与」と抗生物質「投与しない」ランダムに振り分けた比較がオランダから報告されたので紹介いたします。


van Dijk ST et al. Long-Term Effects of Omitting Antibiotics in Uncomplicated Acute Diverticulitis. Am J Gastroenterol. 2018 Jul;113(7):1045-1052


対象は528例の、初発の憩室炎です。


CTで確定診断して、左側結腸の症例のみに限定しています。


治療後2年間フォローしています。


再発率は抗菌薬投与で14.9%、非投与で15.4%と有意差なし


合併症は抗菌薬投与で3.3%、非投与で4.8%と有意差なし


S状結腸切除が必要となったのは抗菌薬投与で5.0%、非投与で9.0%と有意差なし


統計データ上は、初発の憩室炎の2年間フォローでは、抗菌薬「投与」と抗菌薬「投与しない」治療で差がありませんでした。



憩室炎に抗菌薬を投与しない選択枝はあるのか

統計学上は抗菌薬投与と非投与で合併症やS状結腸切除率に差はないと出ているのですが、


合併症は抗菌薬投与で3.3%、非投与で4.8%


S状結腸切除が必要となったのは抗菌薬投与で5.0%、非投与で9.0%


統計学的に有意差はないものの抗菌薬投与でいずれも低い率で、この報告をもって、抗菌薬投与不要とは言いがたい印象です。


現状では抗菌薬投与が妥当な治療でしょうか。

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