過敏性腸症候群

消化器系
お腹の痛みや違和感があり、便秘と下痢を交互に繰り返すのが数ヶ月続く、大腸カメラなどの検査をしても異常がない状態を過敏性腸症候群といいます。
朝ご飯をたべて学校に行こうと思うとトイレに行きたくなる、通勤途中の電車でお腹が痛くなりトイレに行きたくなるなど生活の質が落ちるのが特徴です。
便秘型、下痢型、混合型、分類不能型に分類されます。
生活習慣の改善を中心に治療、症状が続くときに薬服用を考慮します。

過敏性腸症候群の症状

お腹の痛みや違和感、便秘や下痢などが続くが、大腸カメラなど検査をしても異常がない、正常な腸の動きが損なわれている状態を過敏性腸症候群といいます。

過敏性腸症候群は英語のirritable bowel syndromeの頭文字からIBSともよばれます。

日本人の10~15%が過敏性腸症候群をもっているともいわれます。

若年者とくに20代から30代に多く、年齢とともに減る傾向があります。

命に関わる病気ではありませんが、朝ご飯をたべて学校にいかないと遅刻するのにトイレに行きたくなる、通勤途中の電車でお腹が痛くなりトイレに行きたくなるなど著しく生活の質(Quality of Life: QOL)が落ちるために、適切な治療が必要な病気です。

主な症状は繰り返す下痢と便秘、腹痛や違和感、便が出るときの腹痛です。
症状は、良い時悪い時を繰り返し、ストレスを感じたり、おなかの風邪を引いたりした後などに悪化します。

過敏性腸症候群の診断

下痢便秘を繰り返し、便が出る時の腹痛が数ヶ月続くときに過敏性腸症候群が疑われます。
大腸カメラ(大腸内視鏡)などの検査をしても異常がないことの確認が大切です。

便通異常を来すような、甲状腺ホルモン異常、電解質異常、糖尿病性神経障害などの病気が隠れていないかどうか血液検査も適宜行います。

過敏性腸症候群の国際的な診断基準があります(ローマIV基準)
6ヶ月異常前から便通異常、腹痛などの症状があり、直近の3ヶ月間は月に4日以上腹痛と便通異常が繰り返しおきるときに過敏性腸症候群と診断されます。

むかしは過敏性大腸炎とよばれていたのですが、大腸だけでなく小腸ふくめた消化管に動きの異常があることから、過敏性腸症候群とよばれるようになりました。

過敏性腸症候群の治療

生活習慣の改善が治療の中心となります。
規則正しい食事リズム、3食を規則正しく食べることからはじめます

暴飲、暴食、特に夜間の高カロリー高脂肪食を控えます。
睡眠不足、ストレスも症状を悪化させますので、ストレスをためず、十分な睡眠休養を心がけてください。

すぐ家を出ないと学校に遅刻するのにトイレに行きたくなる、通勤途中の電車でお腹が痛くなりトイレに行きたくなるなど、症状が出て欲しくないと思えば思うほど逆に症状がでる傾向があります。

少し朝早くおきてゆっくりと朝過ごす時間を確保して、遅刻するという時間的なストレスを軽減しましょう。

特急や通勤快速は途中で電車を降りられないという脅迫観念が便意を起こす原因となります。
症状が改善するまで、少し早く起きて普通電車で通勤する工夫も有効です。

高脂肪食、香辛料、コーヒー、アルコールも腸の動きに影響しますので、量をひかえましょう。

生活習慣の改善でも症状がつづく時には薬による治療が必要となります。さまざまな腸の機能を調節する薬があり、下痢型、便秘型、混合型、症状に応じて選択します。

高分子重合体であるコロネル(ポリカルボフィルカルシウム)は小腸大腸で水分を吸収して膨張します。
便の水分を保つことで、便の容積を保ちます。下痢型、便秘型ともにつかわれる薬です。

セロトニン受容体拮抗薬であるイリボー(ラモセトロン)は過敏な腸管蠕動を抑え、下痢を改善する働きがあります。男性と女性で服用する用量が異なります。体格、症状で服用量の調節が必要です。

グアニル酸シクラーゼ受容体作用薬であるリンゼス(リナクロチド)は腸の上皮機能を改善する働きがあり便秘を改善する働きがあります。

その他抗コリン薬、下痢止め(止痢薬)も必要に応じて頓服的につかうこともあります。

過敏性腸症候群だと自己判断する前に

過敏性腸症候群の診断のためには、大腸がんなどの悪性の病気や潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患が「隠れていない」ことを確認することが大切です。
過敏性腸症候群だろうと自己判断する前に、大腸カメラでこれらの病気が隠れていないことを確認することが大切です。
特にこれらの病気が疑われるような、体重減少、発熱、血便などがある場合には主治医の先生に必ず伝えてください。

その他、甲状腺ホルモン亢進症でも甲状腺ホルモン低下症でも便通に影響をきたします。
糖尿病からの神経障害でも腸の動きに影響がることがあります。肝臓の病気、腎臓の病気でも腸の動きに影響がでることがあります。必要に応じて血液検査、便検査、腹部エコーなどが必要となることがあります。

過敏性腸症候群の診断は、総合的な判断が大切です。
過敏性腸症候群だろうと自己判断せず、症状がながびくときはかかりつけの先生のご相談ください。

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