逆流性食道炎

消化器系

お腹がすいたら、胃酸が込み上がってきて胸焼けがします。
最近げっぷが多いんです。
これらの症状は典型的な逆流性食道炎の症状です。

胃カメラで食道をみると、食道と胃のつなぎめ(胃食道接合部)に潰瘍やびらんとよばれる粘膜にキズができています。
中年の肥満傾向のある男性や高齢で背中が曲がった女性に多くみられます。

逆流性食道炎には特効薬があります。
胃酸分泌をおさえるはたらきをもつプロトンポンプ阻害薬が効果的です。

逆流性食道炎の症状

逆流性食道炎は文字通り、酸が食道へ上がってきて食道が炎症をおこしている状態です。

胃食道逆流症(GERD)とよばれることもあります。

正確には胃食道逆流症(GERD)と逆流性食道炎は同じではないのですが、病気のイメージ的にはほぼ同じと理解してよいでしょう。過剰な酸が食道にあがってきて、酸に弱い食道が傷つく病気です。

写真の矢印が胃酸傷ついた食道粘膜です。

 

逆流性食道炎の典型的な症状は胃酸があがってくることで感じる「胸焼け」「酸のこみ上げ(呑酸)」です。

これらの症状が週に2回以上あれば逆流性食道炎が疑われます。

胃酸が食道に逆流することで「胸焼け」「酸のこみ上げ(呑酸)」以外に非常に多彩な症状をきたします。

心臓の病気と間違えるような胸痛、声がれ、のどのつっかえ感、腹部膨満感、慢性の咳なども逆流性食道炎の症状です。

逆流性食道炎の原因

食道と胃を継ぐところ(胃食道接合部)は逆流防止のため弁のような形をしています。

ここが緩むと、胃酸が食道へ逆流してきます。原因として多いのは、肥満や加齢です。

肥満でお腹の圧力(腹圧)が上がることで、胃の内容物が食道へ逆流しやすくなります。

また加齢で背中が曲がると、食道と胃のつなぎ目がずれて、食道ヘルニアを起こします。

食道ヘルニアにより胃内容が食道にあがりやすくなります。

食事内容や生活習慣も逆流性食道炎に影響します。

脂肪の多い食事をとると胃の中に長時間食べ物が停溜して逆流性食道炎を起こしやすくなります。

アルコールは食道胃接合部を緩める働きがあり逆流性食道炎を起こします。

カルシウム拮抗薬(高血圧の薬)や亜硝酸薬(狭心症の薬)も食道胃接合部を緩める働きがあり逆流性食道炎を起こしやすくなります。

逆流性食道炎の診断

逆流性食道炎の診断は、胃カメラ(内視鏡)で診断します。

逆流性食道炎の程度をA、B、C、Dに分類します。

Aは5mm未満の小さなキズ(粘膜傷害)、Bは5mmを越えるキズ、CはBより広い範囲に広がるけれど全周の75%未満のキズ、Dは食道全周の75%以上に広がるキズです。

A→B→C→Dの順に逆流性食道炎の症状が強い傾向があります。

食道にキズがなくても逆流性食道炎の症状がでることがあることが知られ、食道にキズはないけれど色だけが少し変化した状態をMと分類されます。
胃カメラで逆流性食道炎の程度をM、A、B、C、Dに分類して診断します。

逆流性食道炎、バレット食道、食道がんの関係

逆流性食道炎が長期化すると、キズついた食道の粘膜が正常に修復されず、高円柱上皮とよばれる細胞に置き換わってきます。

高円柱上皮に置き換わってしまうのがバレット食道とよばれる状態です。バレット食道は食道がん(食道腺癌)の主要な原因です。

逆流性食道炎の治療

逆流性食道炎の治療は生活習慣の改善と胃酸を抑える薬が中心となります。

肥満の予防、夜遅い食事をさけ、脂肪の多い食事を控えることが治療につながります。

食後2~3時間は横にならないように気をつけ過度の飲酒を避けてください。

横になって寝ると胃酸は食道へ逆流しやすくなり、逆流性食道炎を引き起こします。

右を下にした姿勢(右側臥位)は逆流性食道炎しやすいので、逆流性食道炎がひどい方は左を下にした姿勢(左側臥位)で寝る習慣をこころがけましょう。

胃内はペーハー1~2の強酸状態です。

胃内のペーハーを4以上に上げることで逆流性食道炎は改善します。

プロトンポンプ阻害薬が逆流性食道炎の特効薬です。プロトンポンプ阻害薬(PPI)にはオメプラール、タケプロン、パリエット、ネキシウムなど多くの種類があります。

症状に応じて薬の治療量、種類を調節します。また新しいタイプの酸分泌を抑える薬タケキャブも逆流性食道炎に有効です。自分に合う薬をかかりつけ医の先生と相談してみつけてください。

長引く咳の原因が逆流性食道炎の場合があります。

酸の逆流が原因の咳には鎮咳薬はあまり効かず、逆流性食道炎の治療薬であるプロトンポンプ阻害薬(PPI)が有効です。

逆流性食道炎だと思ったら、、、?

胸焼けや酸のこみ上げ(呑酸)があり逆流性食道炎と思い込んでいたら、食道がん、胃がん、アカラシアなどの別の病気がかくれていることがあります。

症状からの判断だけでなく胃カメラによる確認が大切です。

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