甲状腺機能低下症と橋本病

内分泌系
甲状腺機能亢進症は、首の付け根にある甲状腺から出る甲状腺ホルモンの分泌が低下する病気です。
代謝を活発にして、体温を上げたり、元気を出す働きをもつ甲状腺ホルモンが低下することで、体のだるさをはじめとして、気力低下、冷え、浮腫、便秘などさまざまな症状がでてきます。
倦怠感、気力低下など日常生活の活動性が低下するため、うつ状態、更年期障害と診断されたりすることもあります。
甲状腺機能低下症の原因として多いのが慢性甲状腺炎(橋本病)です。

甲状腺機能低下症の症状

甲状腺は首の付け根の左右にある4cmほどの小さな臓器です。

小さいながらも、体の恒常性(体温、体調)を保つのに重要な働きをする甲状腺ホルモンを分泌します。

甲状腺ホルモンの分泌が低下すると、体の代謝が低下して倦怠感をはじめとして、気力低下、冷え、浮腫、便秘などさまざまな症状がでてきます。

食欲低下、体のむくみ、体がむくむことからの体重増加、記憶力集中力の低下、ED(勃起不全)、皮膚のかさつき、脱毛、声のかすれ、声が低くなるなどの症状がでることもあります。

元気を出すホルモンの不足から、精神的にも肉体的にも元気がない状態となります。

甲状腺機能低下症の検査

甲状腺の検査は採血とエコー(超音波)検査が中心となります。

甲状腺ホルモン値は血液検査で測定することができます。

甲状腺ホルモン(FT4)と甲状腺刺激ホルモン(TSH)を測定することで診断ができます。甲状腺機能低下症では甲状腺ホルモン(FT4)が低下、甲状腺刺激ホルモン(TSH)が高値となります。

甲状腺機能低下症の原因として、橋本病、甲状腺機能亢進症の手術後、甲状腺がんの手術後などがあります

橋本病であることを確認するためには抗サイログロブリン抗体(TgAb)、抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体(TPOAb)を測定します。

甲状腺ホルモンが低下すると、コレステロール値が高くなったり、肝機能値(AST、ALT)が高くなることがあります。

健診で肝機能値の異常が指摘され、原因をしらべていくうちに甲状腺機能低下症が原因であることが見つかることもあります。

甲状腺の状態をエコー検査(超音波検査)で調べることができます。

エコー検査は超音波を出す探触子(プローブ)を首に当て行う検査で注射や薬を全くつかわない安全な検査です。エコー検査で甲状腺の大きさを測定、甲状腺内部の状態を描出します。

橋本病では甲状腺内部が不均質となりエコーレベルの低下(暗く写る)が認められます。

中島クリニックでは甲状腺エコー検査は予約で行っております。

血液検査は予約不要で、随時行っております。

血液検査、超音波検査の結果から甲状腺機能低下症の原因を総合的に判断します。

甲状腺機能低下症の治療

甲状腺機能低下症の治療は低下している甲状腺ホルモンを補う治療が中心となります。

チラーヂンSという甲状腺ホルモン剤を服用します。

チラーヂンSを少量から始めて、甲状腺ホルモン(FT4)と甲状腺刺激ホルモン(TSH)が安定する体に適した用量を見極めます。

チラーヂンSは半減期(薬がどれぐらいの時間をかけて血中濃度が半減するかの値)が約1週間と非常に長く、継続する薬です。

そのためチラーヂンSは1日何回も服用する必要なく1日1回の服用で安定した効果が得られます。

朝薬を飲み忘れた時は、昼に薬を飲んでも大丈夫です。

甲状腺機能低下症の食事

日常生活ではヨードを多く含む食事(海藻類)を控えるようにしましょう。

甲状腺の病気をもっていない方はヨードを取り過ぎても影響はありませんが、慢性甲状腺の方がヨードを取り過ぎると甲状腺ホルモン値が低下することがあります。

ヨウ素の過剰摂取となる食習慣としては、こんぶをおやつとして毎日摂取、お味噌汁の出しをこんぶでいつも取るなどがあります。

うがい薬のイソジンにはヨードが含まれています。
イソジンで毎日のうがいもヨード過剰摂取の原因となります。

大切なこと

疲れが残るのは年のせい、うつ状態、更年期障害などと自己診断している方の中に、甲状腺ホルモン低下症が隠れていることが多々あります。

甲状腺機能低下症が原因であることが分かれば甲状腺ホルモンを補うことで、健康なときと同じように活動することができるようになります。

倦怠感、気力低下、冷え、浮腫、便秘、食欲低下、体のむくみ、体重増加、記憶力低下、集中力の低下、ED(勃起不全)、皮膚のかさつき、脱毛、声のかすれなど、甲状腺ホルモン低下症の症状はさまざまです。気になる症状があれば主治医の先生にご相談ください。
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