胃カメラは苦しい?胃内視鏡検査について
胃カメラは苦しくない検査です
「胃カメラは、痛いのですか?」と聞かれることがあります。
「苦しいですか」ならまだしも、世間では痛い検査と思われている事を知り消化器内科医として恥ずかしく思う瞬間です。
もちろん胃カメラは痛くもない、苦しくもない検査です。
胃カメラが苦しい理由
理由は単純明快で、胃カメラ検査が苦しくなるのは、喉の反射(咽頭反射)でオエオエえづくからです。
当たり前すぎて書くのもはばかられます。
ではどうずればいいのでしょうか。口から胃カメラを飲むと、どうしても舌に触れるのでえづいてしまいます。
鼻からカメラを通すと舌が全く触れないのでえづきません。
胃カメラを受けられた事が有る方の中には、検査に対する緊張から肩に力が入ってえづいてしまったことがあるかもしれません。検査中にえづくと「肩の力を抜いてください」と言われ、そう言われも力を抜けず逆に、抜こうとすればするほど肩に力が入り、よけいにえづいた方が多いのではないでしょうか。
鼻からカメラを通すだけで楽に検査を受けていただけますが、それでもやはり緊張はするものです。
逆に検査を過去に何度か受けたことかあり検査に対する恐怖心がほとんどない方は、 肩の力が抜け強く、えづくことがありません。
大切な点は「鼻から楽に胃カメラを通すこと」「肩の力を抜いた状態」で検査を受けられるかどうかです。
しかし、肩の力を抜くことは想像以上に難しいものです。
検査に対する不安を軽減するために、当院では「検査前説明」の徹底、「意識下鎮静法」を導入して、検査が初めての方でも楽に受けていただけるように配慮しております。
当院では、「全員」うまく肩の力を抜いて検査を受けていただいています。
胃カメラを楽に受ける具体的方法
検査を楽に受けるために「のどの麻酔」をしっかりするとのどの奥がしびれえづかなくなると言われていますが、緊張が強い方はいくらのどの麻酔をしてもえづきが出てしまいます。
緊張を取り除く事が大切です。
検査前の説明の徹底
検査に対する不安は、検査の具体的な方法を知り理解する事により緩和する事ができます。
検査前に、検査説明用紙を用い、検査前日の食事から、検査内容、検査後の注意まで丁寧に説明いたします。
分からない事や、聞きたい事があれば、私やスタッフに遠慮なく聞いてください。
聞いて、納得することにより検査に対する不安は不思議となくなるものです。
「意識下鎮静法」導入により患者さんの緊張を取り除く
十分な事前説明を受けても、やはり検査となると緊張するものです。
当院では、「意識下鎮静法」を導入、少量の鎮静剤を使い、すこしぼんやりした状態で楽に検査を受けていただいています。 会話はできる程度の軽い鎮静ですが、不要な緊張はとれ、肩の力が抜けた状態です。 この状態で楽に胃カメラを楽に飲むことができます。
尚検査中は、全員、血液中の酸素濃度、血圧、心拍数をリアルタイムでモニターしながら安全に検査を受けていただけるよう配慮しております。
内視鏡術者のレベル
もちろん、雑な胃カメラ操作は咽頭反射を起こし、えづく原因となるのは当然の事です。
胃カメラをする医師のレベルが大切な事は当たり前ですので、ここでは多くは述べません。
内視鏡専門医に求められる能力は、安全に、丁寧にカメラを挿入、検査遂行出来るカメラを操作する技術。
それとともに、微細な胃粘膜の変化に気づき微少な病気を見つけ、的確に判断、診断する眼力、経験です。
中島クリニックでは豊富な経験を持つ内視鏡医が担当します。
肩の力を抜くことが大切なことがわかるケース
のどの麻酔に対するアレルギーがあり、咽頭麻酔なしに検査を受けたケース
その患者さんは、キシロカインアレルギーのため、のどをしびれさせ、咽頭反射を和らげる麻酔が使えません。 想像してみてください、のど麻酔なしに胃カメラを飲むのです。さぞかし辛い検査になることでしょう。 しかし、先ほど説明した「意識下鎮静法」を併用する事により、全くえづく事なく検査を終える事ができました。 肩に力が入らないと、喉の麻酔なしでも反射は出ないものです。 アレルギーのためにのどの麻酔なしで、検査を受けざるを得ない方が時々いらっしゃいますが、みなさん楽に受けられております。
のどの麻酔なしで、検査を受けたケース
「私はのどの麻酔、その他一切要りません」とおっしゃる患者さんのケースです。 麻酔薬アレルギーが有るわけではないのですが、その方は昔から胃カメラはのどの麻酔なしでしてもらっているとのことでした。 患者さんの強い希望ですので、のどの麻酔なし、もちろん鎮静剤も一切使っていません。 その患者さんは検査中1回もえづく事なく無事検査を受けられました。 やはり、検査に対する不安がなく肩に力が入っていないと言う事は思った以上に大切です。 このケースは特殊ですが、みなさんが思っている以上に胃カメラはしんどくない検査です。
胃カメラ検査の流れ
2 受付
午前中検査の方は、夜10時以降は何も食べないでください。それまでは普通に夕食を取って頂いて構いません。
午後検査の方は朝7時までに朝食をすませ、それ以降は何も食べないでください。
午前検査、午後検査共に水、または色のついていないスポーツドリンクでしたら飲んで頂いて構いません。
3 胃カメラ検査前、問診
薬のアレルギーや緑内障、前立腺肥大などの病気などを問診します。
バイアスピリンやワーファリンなどの血液をさらさらにする薬を服用しているか、入れ歯、治療中のぐらぐらしている歯がないかなどを確認し、胃カメラ検査前に必要な問診をとります。
この時、貴金属類や義歯を外してください。
口紅をされている場合は取っていただきます。
4 水薬の服用・鎮静剤注射
水薬の服用をして頂きます。(胃の中のあぶくを消す薬です)
また、検査をスムーズにするために軽い鎮静剤を注射します。
これにより、意識はありますが楽に受けて頂くことが可能です。
また鼻に麻酔をかけます。ゼリー状の「ますい」を鼻に入れます。
5 内視鏡検査
内視鏡を鼻から入れます。食道、胃、十二指腸を見ます。
病気が見つかれば「生検かんし」という道具で病変の一部をつまみ取り、検査に出します。 眠っている間に15分ほどで検査は終了します。
6 休憩
検査後30分~1時間程度休憩をして頂きます。
検査後はふらついたりすることがありますので、自動車やバイクでのご来院はお控えください。
7 説明
胃カメラ検査の説明をいたします。 病変が見つかった場合の生検の結果は2週間後になります。
胃カメラ検査(胃内視鏡検査)の費用
検査種類 | 1割負担 | 3割負担 |
---|---|---|
胃内視鏡(観察のみ) | ¥1,500 | ¥4,500 |
胃内視鏡(顕微鏡検査を含む) | ¥3,000 | ¥9,000 |
胃内視鏡(顕微鏡検査・ピロリ菌検査等を含む) | ¥4,000 | ¥12,000 |
検査結果について
病変が見つかった場合の検査結果は2週間程度でお知らせいたします。
万一入院などの処置が必要な場合は当院より、紹介状を書かせて頂き、入院設備のある病院をご紹介させて頂きますのでご安心ください。