内科・消化器を専門としていますので「胃の痛み」「お腹の痛み」で相談に来られる方が多いのですが、胃腸の「痛み」以外に、意外と多くの方が悩まされている症状に「げっぷ」があります。
今年3月に健康情報テレホンサービスに「げっぷから考えられる病気」をテーマに書きましたのでブログにアップします。
げっぷとは
げっぷは胃の中にたまった空気が上にあがり食道を通って口から出る現象です。正常な状態でも食べ物と一緒に飲み込まれた空気が胃の中には少量あります。胃酸の上への逆流を防止する食道と胃のつなぎ目にある筋肉の働きがゆるんだり、空気が胃の中に多量にたまると、げっぷとして上に上がってきます。そのためにげっぷは、健康な時にでも起きます。
げっぷが出ることは異常ではありませんが、げっぷが頻回起きるような時には色々な病気が隠れている事がありますので注意する必要があります。
げっぷの原因としては
逆流性食道炎、食道裂孔ヘルニアなどの、食道と胃のつなぎ目にある逆流防止弁の働きが不十分なため、胃酸が食道へ逆流してしまう病気があります。胃酸が上に込みあがってくるため、げっぷの他に、胸焼け、胸の熱さなどの症状を伴うこともあります。
胃潰瘍、十二指腸潰瘍も、げっぷの原因となります。潰瘍の場合はげっぷの他に、食後のみぞおちの痛み、お腹が空いた時の痛み、食欲不振などを伴うこともあります。
精神的な原因でもげっぷの原因となることもあります。空気を無意識に飲み込んでしまっている呑気症(どんきしょう)です。精神的な不安や、ストレス、緊張から頻回につばを飲み込む時に空気も飲み込んでしまいます。
その他、慢性胃炎、胃がん、食道がん、胆のう、膵臓の病気などでもげっぷが出ることもあります。
げっぶの原因として、ストレス、不安など精神的な要因がある一方、食道がん、胃がんなど悪性の病気が隠れており、げっぷをきっかけに病気が発見されることがあります。たかがげっぷ、されどげっぷです。