医療コラム

2022.07.19予防医学

ゴルフは健康にいいのですか?|ドライバーショット、バターにご注意

ウオーキング、通勤、ショッピングどんな形でも歩くことが万病予防につながります。

座りっぱなしの生活はみんなが思っている以上に体に負担かかっていますよ、などと患者さんに話していたら、ではゴルフはどうですか?と聞かれます。

ゴルフと健康についてのお話です。

■40才から64才、スポーツによる死亡原因1位はゴルフ2位ランニング

40才から64才でのスポーツによる死亡原因1位はゴルフ、2位はランニングです。

死亡原因1位の人数としてはゴルフですが、全国内のゴフル人口が550万人といわれていますので、ゴルフ愛好家人数が多いため死亡数も結果と多くなっており、特にゴフルが危険なスポーツではありません。

2位のランニングについても同様です。ジョギング、マラソン含めランニング愛好家人数が多いため、結果としての死亡原因2位となっていますが、ジョギング、マラソンによる突然死が特に多いわけではありません。

参考記事

マラソンでの心停止リスクと肥大型心筋症

■ゴルフは中高年の健康維持に有効

座りっぱなしの生活を避ける。ウオーキング、テニス、通勤、ショッピング、どんな形でも動くことが病気予防につながります。

参考ブログ

歩くことを習慣にする方法|モールウオーキング

運動強度を示す指標にMETs(メッツ)があります。 METsとはMetabolic Equivalents の略語です。1METsは安静坐位を1として、その何倍酸素を消費するかを示します。

米国スポーツ医学会で推奨されている健康増進の運動量が3-6METsです。自分でゴルフバックを持ってプレーしたときの運動負荷が5.1METs相当でゴルフは中高年の健康増進に有効との海外のデータがあります。

ゴルフコースは18ホールで6km前後でしょうか。カートに乗らずあるけば7-8kmはゆっくりと歩くことになります。カートにのっても数キロは歩きますので、高齢者にとっても適度な運動となります。

こちらも海外のデータですが、ゴルフコースを歩くことでコレステロール値の改善、心肺機能の改善が報告されています。ただし、週3回ゴルフコースを歩いた場合の話で、あまり現実的ではありませんが。

■ゴルフ中どのような場面が突然死が多いのか

ゴルフ中にどのような場面で突然死起きやすいのでしょうか。心拍数と血圧の急激な上下が起きる状況がリスキーな瞬間です。

心拍数と血圧の急激な上下が起きる状況が3つあります。

1つめは、ドライバーショットです。ゴフルでの最初の一打です。ボールを遠くに飛ばすために、おもいっきりゴルフクラブを振り回します。この瞬間が危険です。

2つめは、意外や意外、パターです。軽くボールを打つだけなのですが、息をこらえたり、緊張することで心拍数と血圧の急激な上下が起きてしまうのが原因です。

3つめは、他の誰かがナイスショットをして、場を盛り上げるためにはしゃいで走り回った瞬間です。場を盛りあげるために、声を出したり走り回るのが心拍数と血圧の急激な上下を起こしてしまうようです。

力を入れて打つドライバーショットはもちろんのこと、パッティングの時にもリスクが伴うのです。

絶対に外せない、息をこらえたり、緊張するのが、心拍数と血圧の急上昇を招き、心臓に負荷を与えていると考えられます。

ゴルフは中高年の健康増進に適したスポーツですが、余り根を詰めてしないのがポイントですね。特にパッティングは息をこらえず、気軽に打つのが健康のためですね。

■ゴルフカートを使うより歩こう

ゴルフ中の不整脈、特に心室性不整脈の発生頻度を、ゴルフカートを使う場合と、歩いた場合を比較した報告があります。

ゴルフカートを使う方が体が楽なので、不整脈が少ないのかと思えば、逆です。

ゴルフカートを使う場合の方が不整脈が多かったのです。

カートを使うと、休んでいるところから急に打つことになり、打球前後の心拍変化が大きくなります。

逆に歩いてプレーしていると、すでに歩いてウオームアップできているところから球を打つので、心拍変化が小さいのがよい方に働いているようです。

カートを使わず、ゴルフ。おすすめです。

■まとめ

・ゴルフは中高年の健康増進に良好な運動量
・ドライバーショット、パターは過度に緊張したり息をこらえたりしないようにしましょう

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