夏には患者さんに、3つのことを伝えています。
- 1.がんばり過ぎない、やめる勇気
- 2. 肥満熱中症が多いのは7月
- 3. スポーツドリンクは砂糖水
年々気候のダイナミックレンジが広がっている
小学校のときは30度を越すときは真夏でも数日だったのですが、今や7月でも軽く30℃を越す日が続いています。
7月23日には、埼玉県熊谷市では41.1度の国内観測史上最高気温を更新しています。
夏がどんどん暑くなっているだけでなく、冬もラニーニャ現象の影響か、昨年の冬は西日本32年ぶりの寒さなど厳しい冬となりました。
地球温暖化というより、年々気候が暑さ寒さ極端にダイナミックレンジが広がっています。
熱中症が多いのは7月
最も暑くなるのは8月ですが、熱中症が多いのは7月です。もちろん8月も熱中症は多いのですが、7月は体が暑さに順応していないので熱中症になりやすいのでお気をつけください。
体がまだ暑さに慣れていない7月の、屋外での作業、スポーツなどはゆっくりのペースで取りくむようにしましょう。
どういいう人が熱中症になりやすか。意外性はまったくないのですが、太っていて、持久力がない方が熱中症になりやすい傾向があります。
がんばり過ぎない、やめる勇気
毎日のウオーキングや外での作業など、がんばり過ぎないことが大切です。特に体が暑さになれていない7月は、しんどかったり、異常に汗をかいたときには、無理せず、やめる勇気をもつことが大切です。
テニスやゴルフなどスポーツは何人かで楽しむので、途中で自分が抜けると他の人に迷惑がかかると気兼ねして、ついすい無理をしてしまう傾向があります。
異常に暑い日は無理をせず、途中でやめる勇気です。
ネーミングの妙、スポーツドリンク
ネーミングのインパクトはすごいですね。スポーツドリンクなんだか体によさそうなイメージがあります。
脱水が恐いのので、夏はお茶をやめてスポーツドリンクをお茶代わりにしています。スポーツイドリングを水筒に入れて、のどが乾いていなくても飲むようにしています。こんな声を患者さんからたびたび聞かされます。
健康のために、脱水がこわいのでスポーツドリンクは砂糖水です。もちろんミネラルも入っているのですが、それにしてもお砂糖が多すぎます。
スポーツドリンク500mlペットボトル1本に約30gの糖分です。
コーヒーに入れるスティックシュガー1本が3g、スティックシュガー10本分の糖分に相当します。
1.5Lのスポーツドリンクペットボトルを1本飲むと、お砂糖30本分の糖分です。
体が必要なのは、水分、ミネラル、そして「少量」の糖分です。
スポーツドリンクによる糖分過剰摂取が糖尿病悪化の要因になります。
暑さ指数とは
気温だけでなく、「湿度」も熱中症の大きく影響します。 同じ30渡でも湿度50%と90%では不快さが全くことなります。
汗をかくことで体温を調節しますが、湿度が高いと思うように汗が気化(蒸発)せず、熱を逃がすことができません。日本の夏は高温、多湿です。
暑さ指数、WBGT(Wet Bulb Globe Temperature)をご存じでしょうか。
人間の熱バランスに影響する、気温だけでなく、気温、湿度、輻射熱を取り入れた温度の指標です。
WBGTは乾球温度計(気温)、湿球温度計(湿度)、黒球温度計(輻射熱)を使って計算されています。
WBGT=0.1 × 乾球温度+0.7 × 湿球温度+0.2 × 黒球温度
気温 1 湿度 7 輻射熱 2 の割合です。
WBGTは湿度に重きをおいた指数です。
環境省からWBGT発表されています。
まとめ
・がんばり過ぎない
・やめる勇気・熱中症が多いのは7月、体が熱さに順応していない7月は要注意
・スポーツドリンクは砂糖水
・湿度が高いときは熱中症になりやすい