■長時間の座りっぱなし生活は、心臓や脳血管疾患のみならず、がんのリスクも高める
長時間の座りっぱなし生活は、さまざまな病気のリスクを高めることが知られています。
座りっぱなし生活でカロリーをあまり消費しない生活は、糖尿病、高血圧、高脂血症などのメタボリック症候群、昔でいうところの成人病になりやすいことは容易に想像できます。
糖尿病、高血圧、高脂血症、肥満などから、血管が詰まりやすくなったり逆に出血しやすくなることから、心臓や脳の血管の病気が増えます。狭心症、心筋梗塞、脳梗塞、脳出血など血管の病気です。
さらに、座りっぱなし生活ががんのリスクおよび死亡率を高めることも研究から分かってきています。特に、乳がん、大腸がんは生活習慣の影響を受けます。
■座りっぱなし生活の対策
仕事で座りっぱなしの人は、仕事の間に少しでも運動を取り入れるのが対策です。
医者の生活、特に開業医の生活は座りっぱなしの時間が多く不健康なライフスタイルの代表といえるかもしれません。終日外来をするとのべ6-7時間はすわりっぱなしです。
興味深いコホート研究の報告があるので紹介します。
(Citation: Diaz A et al. Potential Effects on Mortality of Replacing Sedentary Time With Short Sedentary Bouts or Physical Activity: A National Cohort Study. Am J Epidemiol. 2019 Mar 1;188(3):537-544.)
45歳以上の7,999人の仕事、仕事中の運動量(体を動かしている)量を測定、それと死亡率の関係を集計しています。
・座っている時間の30分を軽活動(LIPA light-intensity physical activity)にすると死亡リスクが17%減少
・座っている時間の30分を中から強度の活動(MVPA moderate to vigorous physical activity)にすると35%死亡リスクが減少
座りっぱなしの時間を何らかの運動に置き換えるのが理想です。細切れの数分体を動かすことでも効果があります。
デスクワークで座りっぱなしの人は、1時間に数分でも体を動かす時間を取り入れるのが理想ですね。
立ってパソコンに向かう作業を取り入れるのも方法です。私はこのブログ立ってPCに向かって書いています。クリニックの受付テーブルがちょうどよい高さなで、そこにPC置いてブログ書いています。
最近はこんな感じの高さをかえられるオフィス用の机取り入れる企業多いようです。
(www.askul.co.jp)
■デスクワーク中心の座りっぱなしの人ができる健康対策
出来る対策としては通勤です。通勤を車から電車、さらに可能であれば電車から自転車にかえるのは効果てきです。
■まとめ
座りっぱなしのデスクワークは死亡リスクを高めます。細切れの数分でも仕事の合間に体を動かすことでリスク軽減できます。