胃カメラ結果を説明した時に、今日も患者さんから「コーヒー飲んで大丈夫でしょうか」と遠慮がちに聞かれました。
みなさん、コーヒーは胃に悪いイメージをもっているようです。
そんなことないですよ。
胃潰瘍でもあれば、さすがにしばらく控える必要ありますが、そうでなければ全く問題ありません。
最近の研究で、コーヒーが死亡率を下げることが分かってきました。
体に悪いのではなく、逆に体にいいのです。
国立がん研究センターが多目的コホート研究(JPHC研究)として40-69才の男女約9万人を追跡調査しました。コーヒー摂取と全死亡、その原因を検討した結果です。
(引用:国立がん研究センター多目的コホート研究JPHC)
コーヒーをほとんど飲まない群
1日1杯未満
1日1-2杯
1日3-4杯
1日5杯以上の群
に分けて全死亡リスクを検討
ほとんど飲まない群を 1.00とすると
1日1杯未満 0.91
1日1-2杯 0.85
1日3-4杯 0.76
1日5杯以上 0.85
コーヒーを飲む人の方が死亡リスク低かったのです。
しかも、そのリスクは、1日4杯までは、飲む量に比例して、リスクが低下する傾向があります。
さらに、死因別のリスクを解析すると、
コーヒーを飲む人の方が、心疾患リスク低い
コーヒーを飲む人の方が、脳血管疾患低い
コーヒーを飲む人の方が、呼吸器疾患低い
コーヒーを飲むことで
「心疾患」
「脳血管疾患」
「呼吸器疾患」
全て減っているのです。
海外の報告でも同様の傾向です。
(Citation:Ding M et al. Association of Coffee Consumption With Total and Cause-Specific Mortality in 3 Large Prospective Cohorts. Circulation. 2015 Dec 15;132(24):2305-15. )
コーヒーを飲まない人に比べ、
1杯飲む人より2杯飲む人
2杯飲む人より3杯飲む人
3杯飲む人より4杯飲む人
の方が死亡率低下しています。
さらに、興味深いのはこの研究では
デカフェ(カフェインが入っていないコーヒー)を飲む人の死亡リスクも調べています。
デカフェを飲んでいる人でも、コーヒーを飲まない人よりも死亡リスクが低下しています。
デカフェでも死亡リスクを下げる効果があります。
妊娠や授乳中など、カフェインをひかえた方が良い時はデカフェを愉しむのも、いいですね。