百薬の長ともいわれるアルコール。一日の疲れを癒やすお酒。
私はお酒を毎日飲むわけではないですが、仕事が終わった後のアルコール最高ですね。
今までは、アルコールには安全域値(ここまでは飲んでもOKの量)があると言われていたのですが、最近の報告からはどうも安全域値はないようです。
適度なアルコール量
1日1単位アルコールグラムにして10g、ビール1本、ワイン1杯程度なら肝臓で十分分解出来る量なので問題ない、むしろフレンチパラドッククスの言葉があるように、少量のアルコールは飲まないよりも健康によいとも言われていました。
しかし、Lancetの報告によると、少量のアルコールは百薬の長ではなく、飲んだ量に比例して健康に影響するようです。
アルコール好きの人へは、実に耳が痛い話です。
ここまで飲んでもOKな、安全閾値とは
閾値という概念があります。これはこの量までは飲んでも大丈夫、それ以降は体に影響でますと線引きされる点のことです。
タバコをイメージしてみてください、タバコは安全域値がありません。
1本吸えば、1本分体に影響、20本吸えばさらに体に影響します。
アルコールは1合ぐらいまでなら適量、害はなし。2合3合となると体に影響するとの考えられてきました。表現をかえると、アルコールには閾値があると考えられていました。
しかし83報にもおよぶ前向き検討研究を解析したところ、どうもアルコールもタバコと同じく閾値が「ない」との報告です。
(Citation: Risk thresholds for alcohol consumption: combined analysis of individual-participant data for 599 912 current drinkers in 83 prospective studies. Lancet. 2018 Apr 14;391(10129):1513-1523.)
少量のアルコールは心血管イベントを減らす、しかし
心筋梗塞のところで、グラフが直線的に右上がりになっているのではなく、V字型になっているのがわかります。
少量のアルコールは心血管イベント、特に心筋梗塞を減らすというのは事実のようです。
ところが、脳卒中はじめ、癌のリスク含め他の病気は、グラフが直線的に右上がりになっています。
飲めば飲むほど、リスクがあがることを示しています。いいかえると、少量飲んでも健康に影響するのです。
長年アルコールを飲む影響
1-15年どれだけの年数アルコールを飲み続けているかで健康リスクを評価しています。
Lancet. 2018 Sep 22;392(10152):1015-1035. doi: 10.1016/S0140-6736(18)31310-2. Epub 2018 Aug 23. Alcohol use and burden for 195 countries and territories, 1990-2016: a systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2016. GBD 2016 Alcohol Collaborators.
飲む年齢に比例して右肩上がりに健康リスクあがってしまっています。
アルコール飲酒が寿命を縮めるのか
週100gのアルコール量以下では、ほぼ寿命影響なさそうです。逆に200g(ビール2本、ワイングラス2杯)以上からは影響出始めます。
週350gアルコール以上のむ人(毎日ビール5本、ワイングラスにして5杯以上は目に見えて影響でますので、さすがに控える必要あります。
まとめ
今までは、安全閾値があると考えられていたアルコールですが、最近の研究で安全閾値が「ない」とのことが分かってきました。
アルコール好きの方には耳の痛い話ですが、アルコールは飲んだ量に比例して健康リスクとなります。
朗報としては、週100g以下のアルコール量、毎日ビール1本やワイングラス1本程度では、ほぼ影響なさそうです。 しかし、200g(ビール2本、ワイングラス2杯)以上からは目に見えて影響でますので、飲むとすれば適量に、です。