胃がん予防のためには
胃カメラによる検診による胃がんの早期発見早期治療が大切です。
そして、もしピロリ菌がいたらピロリ菌除菌が胃がん予防につながります。
胃がん予防には
胃カメラによる定期検診とピロリ菌治療の2つです。
ピロリ菌名前は知っているけれど、どんな菌か詳しくは知らない。
お勧めの、今さら聞けないピロリ菌の話 10選です。
患者さんからよく受ける相談10選をQ&A形式でまとめてみました。
1.ピロリ菌はどうやってうつるのですか
ピロリ菌は子供の頃、口から入って感染します。
昔は井戸水からの感染が多かったのですが、今は衛生環境の改善にともなって井戸水からの感染はほどんとありません。
主な感染経路は、家族内感染です。
お母さんから子供、お父さんから子供などです。
お母さんやお父さんから赤ちゃんへの口移しの食事は、感染の原因となります。
2.親がピロリ菌に感染していると遺伝しますか
ピロリ菌は遺伝疾患ではないので遺伝しませんのでご安心ください。
親がピロリ菌をもっていることと、子供がピロリ菌がもっているかどうかは関係ありません。
正確にはほとんど関係ありません。
ピロリ菌は家族内感染があるので、親がピロリ菌をもっていると子供ももっている確率が高いという研究報告はあります。
心配な方はかかりつけの先生にご相談ください。
3.ピロリ菌はキスをしてうつりますか
ピロリ菌はキスをしてうつりません。
ピロリ菌は大人になってからの感染がほとんどないのが特徴です。
ピロリ菌は幼少の頃、小学校に入る前の年齢ぐらいでの接触で感染します。
ピロリ菌と接触しても大人の胃にはほとんど感染しません。
4. ピロリ菌がいるかどうかどうやって調べるのですか
ピロリ菌を調べる方法には、血液で調べる方法、便で調べる方法、息で調べる方法、胃カメラを使って調べる方法、何種類もあります。
中島クリニックではピロリ菌がいるかどうかの検査は胃カメラ検査の時に、胃粘膜の組織を一部採って培養検査で判断しています。
培養による検査が正確です。
その他に便を使って調べる検査、血液(採血)で調べる検査も行っております。
どのような時にどの方法で検査をするかを患者さんの病状で判断して、適切な方法を選択しています。
5.ピロリ菌の検査はこどもにできますか
こどももピロリ菌検査をすることができます。
6.ピロリ菌がいるかどうか調べたいのですが、どこの病院に行ったらいいですか
消化器科、消化器内科を標榜している(専門としている)病院やクリニックでピロリ菌がいるかどうかを調べることができます。
7.ピロリ菌の治療、ながくかかるのでしょうか
ピロリ菌は1週間の飲み薬で治療できます。
2種類の抗生物質と胃薬を1週間服用します。
タケキャブ(胃薬)、アモキシシリン(抗生物質)、クラリス(抗生物質)の3種類を朝夕、1日2回の服用です。
中島クリニックでは1回の治療で93%の患者さんがピロリ菌除菌に成功しています。
8.ピロリ菌一度治療したらもう出てこないのですか
はい、ほとんどの方は一度消えたら、出てきません。
100人ピロリ菌除菌をして、翌年しらべてピロリ菌が陽性になる人は2人程度です。
98人は消えたままです。
ピロリ菌が消えることで胃がんリスクは下がりますが、ゼロになるわけではありませんので、除菌後は定期的な胃カメラによる検診をお勧めいたします。
9.ピロリ菌を除菌すれば胃がんになりませんか
胃がんになるリスク(危険度)は除菌で下がりますが、ゼロではありませんので定期的な胃カメラによる検診をおすすめします。
ピロリ菌除菌と胃がん予防の関係は、禁煙と肺がん予防の関係と同じと思ってください。
タバコをやめると肺がんのリスクが下がりますが、ゼロではありません。
高齢になってからタバコを止めるより、若い時にタバコを止める方が効果的です。
ピロリ菌と胃がんの関係も同じで、ピロリ菌除菌で胃がんリスクは低下しますが、ゼロではありません。除菌も高齢になってからするよりも若い時に除菌する方が効果的です。
10.ペニシリンアレルギーがあるのですがピロリ菌治療できますか
ペニシリン系の抗生剤を使わない治療方法があるので治療できます。
保険診療ではできない特殊な治療となりますので自費で行うことになります。
ピロリ菌は、抗生物質2種類と胃酸をおさえる胃薬、合わせて3種類の薬で治療します。
ペニシリン系の抗生物質、エリスロマイシン系の抗生物質を用います。これらの薬を飲んで今までじんましんが出た、息が苦しくなったなどのアレルギー反応がでたことがある方は治療することができません。
ペニシリン系、エリスロマイシン系以外にも、ピロリ菌に効く抗生物質が分かっています。
それらの抗生物質を組み合わせることで治療できます。