日本人の7人に1人が便秘の悩みをかかえています。
朝スッキリと便がでると、快適に一日すごせますね。
便秘のみならず、便がでるまでに時間がかかる、出ても残便感があるなど、便にかかわる悩みはつきることがありません。
排便の悩み解決の一助となる、排便時の姿勢についてお話いたします。
ポリープやがんが原因の便秘ではなことの確認
7人に1人が悩んでいる便秘。
下痢でトイレに何度も走るのも辛いですが、血圧が上がるほど一生懸命イキんでようやく便がでる便秘も辛いものです。
便秘の薬は薬局で何種類も売られているので簡単に手に入ります。
大腸を刺激して便を出すビサコジルを主成分とする薬剤や便を軟らかくする酸化マグネシウムが主成分の下剤などが中心となります。
水分や繊維質不足などからの便秘であれば、薬でなんとか出すのもよいのですが、注意する必要があるのは腸がポリープやがんで詰まって出なくなっている便秘です。
大腸ポリープやがんで腸が詰まっている便秘は、放っておくと腸閉塞となり命にかかわることになりかねません。
便秘薬よりも、ポリープや大腸がんなどの根本的な治療が必要となります。
便秘だからと安易に薬をのまずに、まず大腸ポリープや大腸がんが原因でないことの確認です。
ポリープや大腸がんが分かる血液検査があるとよいのですが、残念ながらありません。
大腸カメラで、大腸の中を見るのが最も正確な検査です。
大腸カメラで重篤な病気が隠れていないことを確認してください。
理想の排便姿勢
みなさまはどんな姿勢でトイレされてますでしょうか?
便座に座って姿勢を正してでしょうか、それとも前かがみになってでしょうか。
便秘でない方は、便座に座ればスルッと出る。
姿勢を意識することはないでしょう。姿勢を正していても簡単にでます。
でも、便秘の時は前かがみの姿勢で、きばるのではないでしょうか。
そうです、この前かがみの姿勢こそが排便の時に大切なのです。
その前屈みの姿勢が、理想の排便姿勢なのです。おしりと直腸(おしりから入ってすぐの腸)は真っ直ぐ姿勢を正していると、おしりと直腸が鋭角に折れ曲がっています。
なので、まっすぐな姿勢ではいきんでもなかなか便は出ません。この角度が前かがみの姿勢になると緩んで出やすくなるのです。
洋式の便器よりも、和式の方が理想の排便姿勢に近づきます。和式は足疲れますけどね。
姿勢を例えるとすれば、ロダンの考える人です。
背中の赤い線に注目してください。折れ曲がった鋭角が理想の排便姿勢です。
DPMD(足台)を活用した便秘改善
DPMD聞き慣れないことばですね。
DPMD(Defecation Posture Modification Device)
便秘のときに姿勢を変えて排便をしやすくする足台のことを
医学論文でかっこつけて書くときの言葉がDPMDです。
DPMD、ただ単に足台のことです。
足台の効果を、研究した報告を紹介します。
(Citation: Modi RM, et al : Implementation of a Defecation Posture Modification Device: Impact on Bowel Movement Patterns in Healthy Subjects. J Clin Gastroenterol. 2018 Oct 22.)
最初2週間は足台なし、後半2週間は足台ありで過ごします。
便がでるまでの時間、回数など詳細に検討しています。
便がすっきり出た感、排便にかかる時間、ともに足台をつかった方が良好な結果でした。
15cm程の足台が、こんなにも効くとはおどろきです。
まとめ
便秘のときに足台を使って、かがむ姿勢を深くする。実に簡単なことですが非常に効果あります。トイレでいきむ時間が短くなり、残便感もへります。
便秘と自己判断する前に、便秘の原因がポリープや大腸がんなどで腸がつまっていることがあります。
今まで便通がよかった方が、急になった便秘、便が細い時は、主治医の先生にまずご相談ください。